数列(sequences)

自然数 $ 1,2,3,\ldots,n,\ldots$ のおのおのの数に対してそれぞれ実数

$\displaystyle a_{1},a_{2},a_{3},\ldots,a_{n},\ldots $

が対応しているとき,これを 数列(sequence)または無限数列といい,個々の $ a_{1},a_{2},\ldots$ などをこの数列の 項(term) といいます.特に第n項がわかれば数列全体がわかるので第n項を 一般項(general term) といいます.また,数列 $ a_{1},a_{2},a_{3},\ldots,a_{n},\ldots $ は簡単に $ \{a_{n}\}$ で表わされます.

例題 1..30  

数列 $ 1,16,81,256,\ldots$ の第5項を求めてみよう,という問題が出題されたとき,ほとんどの学生は一般項 $ a_{n} = n^{4}$ より, $ a_{5} = 5^{4} = 625$ と答えました.ところがある学生は $ a_{n} = 10n^{3} - 35n^{2} + 50n - 24$ より $ a_{5} = 601$ と答えました.どちらが正しいのか考えてみましょう.

まず, $ a_{n} = n^4$ とおくと $ a_{1} = 1, a_{2} = 16, a_{3} = 81, a_{4} = 256$ となるので $ a_{5} = 625$ は正しい答です.では, $ a_{n} = 10n^3 - 15n^2 + 50n - 24$ はどうでしょう. $ a_{1} = 1, a_{2} = 16, a_{3} = 81, a_{4} = 256$ となるので $ a_{5} = 601$ も正しい答です. $  \blacksquare$

この答えを見て不思議だと思った人は,これまでに学んだ数列を思い出してみましょう.多分,等差数列と等比数列については学んだと思います.学んだことの無い人のために,それぞれの数列の定義を与えます.

定義 1..5  

[等差数列] 数列$ \{a_{n}\}$において,

$\displaystyle a_{n} - a_{n-1} = d\ $   ただし,$\displaystyle \ d \ $   定数

であるとき,数列$ \{a_{n}\}$は等差数列であるという.

定義 1..6  

[等比数列] 数列$ \{a_{n}\}$において,

$\displaystyle \frac{a_{n}}{a_{n-1}} = r\ $   ただし,$\displaystyle \ r \ $   定数

であるとき,数列$ \{a_{n}\}$は等比数列であるという.

つまり,等差数列や等比数列は隣り合う数列の差や比が一定の場合です.しかし,例題のように隣合う数列の差や比が一定でない数列の場合は,数列の差どうしの差を考える必要があります.これを階差といいます.次の数列を見てみましょう.

\begin{displaymath}\begin{array}{ccccccccc}
2 & & 5 & & 10 & & 17 & & 26\\
& \v...
...vee & & \vee & & \vee & &\\
& & 2 & & 2 & & 2 & &
\end{array}\end{displaymath}

3層目の数列は定数になっています.これより,2層目の数列を$ \{b_{n}\}$とすると, $ b_{n} - b_{n-1} = 2$, $ b_{1} = 3$より,

$\displaystyle b_{n} = (b_{n} - b_{n-1}) + (b_{n-1} - b_{n-2}) + \cdots + (b_{2} - b_{1}) + b_{1} = 2(n-1) + 3 = 2n + 1$

となります.また,1層目の数列を$ \{a_{n}\}$とすると, $ a_{n} - a_{n-1} = b_{n-1}$, $ a_{1} = 2$より,
$\displaystyle a_{n}$ $\displaystyle =$ $\displaystyle (a_{n} - a_{n-1}) + (a_{n-1} - a_{n-2}) + \cdots + (a_{2} - a_{1}) + a_{1}$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \sum_{k=1}^{n-1}b_{k} + a_{1} = \sum_{k=1}^{n-1}(2k+1) + 2 = 2\sum_{k=1}^{n-1}k + \sum_{k=1}^{n-1} 1 + 2$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle n(n-1) + n-1 + 2 = n^{2} + 1.$  

これより,数列$ \{a_{n}\}$の一般項は $ a_{n} = n^{2} + 1$であると考えることができます.しかし,例題の数列の場合,階差を考えると,

\begin{displaymath}\begin{array}{ccccccc}
1 & & 16 & & 81 & & 256\\
& \vee & & ...
... & & 110 & &\\
& & & \vee & & & \\
& & & 70 & & &
\end{array}\end{displaymath}

のようになっていて,第4層目が定数なのか分かりません.第4層目を定数だとすると,第3層目の数列$ \{c_{n}\}$は, $ c_{n} - c_{n-1} = 60$, $ c_{1} = 50$より, $ c_{n} = 60n - 10$となります.これより,第2層目は $ b_{n} - b_{n-1} = c_{n-1}$, $ b_{1} = 15$より, $ b_{n} = 30n^{2} - 40n + 25$となります.したがって,第1層目は $ a_{n} - a_{n-1} = b_{n-1}$, $ a_{1} = 1$より,一般項は, $ a_{n} = 10n^{3} - 35n^{2} + 50n - 24$と考えることができます.

数列 $ \{a_{n}\}$ において,すべての $ n$ について $ a_{n} \leq M$ である定数 $ M$ が存在するとき,数列 $ \{a_{n}\}$上に有界(bounded above) であるといい,すべての $ n$ について $ a_{n} \geq m$ である定数 $ m$ が存在するとき,数列 $ \{a_{n}\}$下に有界(bounded below) であるといいます.またすべての $ n$ について $ m \leq a_{n} \leq M$ のとき,数列 $ \{a_{n}\}$有界(bounded) であるといいます.

例題 1..31  

数列 $ \displaystyle{\{a_{n}\} = \{\frac{1}{n}\}}$ は 有界か調べてみましょう.

$ n = 1,2,3,\ldots,$ について

$\displaystyle 0 < \frac{1}{n} \leq 1 $

となるので有界です. $  \blacksquare$

すべての $ n$ について $ a_{n+1} \geq a_{n}$ となるとき,数列 $ \{a_{n}\}$単調増加数列(monotonically increasing sequence) であるといいます.同様に,すべての $ n$ について $ a_{n+1} \leq a_{n}$ となるとき,数列 $ \{a_{n}\}$単調減少数列(monotonically decreasing sequence) であるといいます.

例題 1..32  

数列 $ \displaystyle{\{a_{n}\} = \{\frac{n}{n+1}\}}$ は単調増加数列か調べてみましょう.

まず,どうやって $ a_{n+1}$$ a_{n}$ の大小の比較をしたらよいか考えてください.大きさの比較には,基本的に2つの方法があります.1つは差が正か負かを調べます.もう1つの方法は比が 1より大きいか小さいかを調べます.

ここでは比を使って調べてみましょう.まず, $ a_{n-1} = \frac{n-1}{n}$であることに注意して,

$\displaystyle \frac{a_{n}}{a_{n-1}} = \frac{n}{n+1}\cdot \frac{n}{n-1} = \frac{n^{2}}{n^{2}-1} > 1$

したがって, $ a_{n} \geq a_{n-1}$ より, $ \{a_{n}\}$ は単調増加であることがわかりました. $  \blacksquare$

さて数列 $ \{a_{n}\}$ において,項の番号が限りなく大きくなるとき, $ a_{n}$ がある定数 $ a$ に限りなく近づくことを

$\displaystyle \lim_{n \rightarrow \infty}a_{n} = a $

と表わし,数列 $ \{a_{n}\}$$ a$収束する(converge) といい,この $ a$ を数列 $ \{a_{n}\}$極限値(limiting value)または 極限(limit) といいます.

ここで関数の極限値の考え方を用いると数列の極限値は次のように定義できます.

定義 1..7  

任意の正の数 $ \varepsilon$ に対して, $ n > N$ のとき $ \vert a_{n} - a\vert < \varepsilon$ が成り立つような自然数 $ N$ が存在するとき,数列 $ \{a_{n}\}$$ a$ に収束するといい,

$\displaystyle \lim_{n \rightarrow \infty}a_{n} = a $

で表わす.


例題 1..33  

定義を用いて $ \displaystyle{\lim_{n \rightarrow \infty} \frac{1}{n} = 0}$ を証明してみましょう.

数列 $ \displaystyle{\{\frac{1}{n}\}}$ は任意の正の数 $ \varepsilon$ に対して $ \displaystyle{N = [\frac{1}{\varepsilon} + 1]}$ とおくと, $ n > N$ のとき

$\displaystyle \vert a_{n} - 0\vert = \vert\frac{1}{n} - 0\vert = \vert\frac{1}{n}\vert < \frac{1}{N} = \frac{1}{[1/\varepsilon + 1]} < \varepsilon $

となります.よって

$\displaystyle \lim_{n \rightarrow \infty}\frac{1}{n} = 0 $

となります.ここで用いた記号$ [x]$ はガウス記号といい, $ x$以下の整数のうち一番大きな整数を表します. $  \blacksquare$

数列 $ \{a_{n}\}$ が収束しないとき,数列 $ \{a_{n}\}$発散する(diverge) といいます.関数の極限値と同じように次の定理は数列の極限値を求めるとき基本です.

定理 1..10  

$ \displaystyle{\lim_{n \rightarrow \infty}a_{n} = a, \lim_{n \rightarrow \infty}b_{n} = b}$ とすると,

$ \displaystyle{(1)  \lim_{n \rightarrow \infty}(a_{n} \pm b_{n})= a \pm b}$

$\displaystyle{(2) \ \lim_{n \rightarrow \infty}(ca_{n}) = ca \ (c : \mbox{定数})}$

$ \displaystyle{(3)  \lim_{n \rightarrow \infty}a_{n}b_{n} = ab}$

$ \displaystyle{(4)  \lim_{n \rightarrow \infty}\frac{a_{n}}{b_{n}} = \frac{a}{b}  (b \neq 0)}$

が成り立つ.


証明 定理1.3参照

例題 1..34  

この定理をもちいて $ \displaystyle{\{a_{n}\} = \{\frac{3 - \frac{5}{n}}{5 + \frac{2}{n} - \frac{6}{n^{2}}}\}}$ の極限値を求めてみましょう.

まず, $ n \rightarrow \infty$ のとき, $ \displaystyle{3 - \frac{5}{n}}$ $ \longrightarrow 3$,また $ \displaystyle{5 + \frac{2}{n} - \frac{6}{n^2} \longrightarrow 5}$ となります.したがって,

$\displaystyle \lim_{n \rightarrow \infty}\frac{3 - \frac{5}{n}}{5 + \frac{2}{n} - \frac{6}{n^{2}}} = \frac{3}{5} $

となります. $  \blacksquare$

定理 1..11  

$ \displaystyle{\lim_{n \to \infty}a_{n} = \infty, \lim_{n \to \infty}b_{n} = b > 0}$ とすると,

$ \displaystyle{(1) \lim_{n \to \infty}\frac{a_{n}}{b_{n}} = \infty}$

$ \displaystyle{(2) \lim_{n \to \infty}\frac{b_{n}}{a_{n}} = 0}$

が成り立つ.


例題 1..35  

この定理をもちいて $ \displaystyle{\{a_{n}\} = \{\frac{3n - 5}{5 + \frac{2}{n} - \frac{6}{n^{2}}}\}}$ の極限値を求めてみましょう.

まず, $ n \rightarrow \infty$ のとき, $ \displaystyle{3n - 5}$ $ \longrightarrow \infty$,また $ \displaystyle{5 + \frac{2}{n} - \frac{6}{n^2} \longrightarrow 5}$ となります.したがって,

$\displaystyle \lim_{n \rightarrow \infty}\frac{3n - 5}{5 + \frac{2}{n} - \frac{6}{n^{2}}} = \infty $

となります. $  \blacksquare$

では,分子と分母が共に無限大に発散するときは,どうなるのでしょうか.このときの形を不定形(indeterminate)といい,このときは,分子と分母から$ n$の最高次数の項をくくり出すことによって,定理1.51.5を用いることができる形に変形します.

例題 1..36  

$ \displaystyle{\{a_{n}\} = \{\frac{3n^2 - 5n}{5n^2 + 2n - 6}\}}$ の極限値を求めてみましょう.

まず, $ n \rightarrow \infty$ のとき, $ \displaystyle{3n^2 - 5n = n^2 (3 - \frac{5}{n})}$ $ \longrightarrow \infty$,また $ 5n^2 + 2n - 6 =$ $ \displaystyle{n^2 (5 + \frac{2}{n} - \frac{6}{n^2}) \longrightarrow \infty}$ となります.そこで分子と分母から最高次数の項をくくりだすと

$\displaystyle \lim_{n \rightarrow \infty}\frac{3n^2 - 5n}{5n^2 + 2n - 6} = \lim_{n \rightarrow \infty}\frac{3 - 5/n}{5 + 3/n - 6/n^2} = \frac{3}{5} $

となります. $  \blacksquare$

実際に極限値を求めるには上の定理1.5だけでは不十分です.例えば $ \displaystyle{\lim_{n \rightarrow \infty}\frac{\sin{n\theta}}{n}}$ の極限値は定理1.5からは求められません.そんなとき,次の定理は便利です.

定理 1..12  

[はさみうちの定理] すべての $ n > n_{0}$ に対して $ a_{n} < c_{n} < b_{n}$ となる整数 $ n_{0}$ が存在し,

$\displaystyle \lim_{n \rightarrow \infty}a_{n} = \lim_{n \rightarrow \infty}b_{n} = a $

ならば, $ \lim_{n \rightarrow \infty}c_{n} = a$ である.


証明

$ a_{n} < c_{n} < b_{n}$ より

$\displaystyle \vert c_{n} - a\vert < \max\{\vert a_{n} - a\vert , \vert b_{n} - a\vert \} $

しかし,

$\displaystyle \lim_{n \rightarrow \infty}a_{n} = \lim_{n \rightarrow \infty}b_{n} = a $

より任意の正の数 $ \varepsilon$ に対して自然数 $ N$ が存在し

$\displaystyle \vert a_{n} - a\vert < \varepsilon, \vert b_{n} - a\vert < \varepsilon $

となるので $ \vert c_{n} - a\vert < \varepsilon$ がいえる.よって $ \lim_{n \rightarrow \infty}c_{n} = a$ である. $  \blacksquare$

例題 1..37  

はさみうちの定理の応用例として $ \displaystyle{\{a_{n}\} = \{\frac{1}{n}\sin{n\theta}\}}$ の極限を求めてみましょう.

まず, $ \vert\sin{n \theta}\vert \leq 1$ よりすべての $ n, \theta$ に対して

$\displaystyle 0 \leq \vert\frac{\sin{n \theta}}{n}\vert \leq \frac{1}{n} $

が成り立ちます.よって $ \displaystyle{\vert\frac{\sin{n \theta}}{n}\vert}$0 $ \displaystyle{\frac{1}{n}}$ にはさまれました.ここで 0 $ \displaystyle{\frac{1}{n}}$ の極限値を求めると

$\displaystyle \lim_{n \rightarrow \infty} 0 = 0,  \lim_{n \rightarrow \infty} \frac{1}{n} = 0 $

となるので,はさみうちの定理より

$\displaystyle \lim_{n \rightarrow \infty}\vert\frac{\sin{n \theta}}{n}\vert = 0 $

となります.ここで

$\displaystyle \vert\frac{\sin{n \theta}}{n} - 0\vert = \vert\vert\frac{\sin{n \theta}}{n}\vert - 0 \vert $

に注意すると

$\displaystyle \lim_{n \rightarrow \infty}\frac{\sin{n \theta}}{n} = 0 $

となります. $  \blacksquare$

数列の収束,発散の基本となるものに $ \{r^n\}$ の極限がどうなるのか知っておく必要があります.なんとなく分かる人もいると思いますが,はっきりと理解したい人には,スイスの数学者 Jakob Bernoulli によって証明された Bernoulliの不等式(Bernoulli's inequality) と呼ばれる不等式は助けになるでしょう.

定理 1..13  

$ x > 0, n > 1$ とすると,

$\displaystyle x^{n} \geq n(x - 1) + 1 $


証明

$\displaystyle x^{n}-1 = (x-1)(x^{n-1}+x^{n-2}+\cdots+x+1) $

$ x > 1$ のとき $ (x-1) > 0$ $ x^{n-1}+x^{n-2}+\cdots+x+1 > 1 + 1 + \cdots + 1 = n$

$ x = 1$ のとき $ (x-1) = 0$ $ x^{n-1}+x^{n-2}+\cdots+x+1 = 1 + 1 + \cdots + 1 = n$

$ 0< x < 1$ のとき $ (x-1) < 0$ $ x^{n-1}+x^{n-2}+\cdots+x+1 < 1 + 1+ \cdots + 1 = n$

したがって,

$\displaystyle x^{n}-1 = (x-1)(x^{n-1}+x^{n-2}+\cdots+x+1) \geq n(x-1)
\ensuremath{ \blacksquare}$

例題 1..38  

Bernouliiの不等式を用いて

$\displaystyle \lim_{n \rightarrow \infty}r^{n} = \left\{\begin{array}{ll}
\inft...
...r = 1)\\
0 & (\vert r\vert < 1)\\
\mbox{ 発散} & (r \leq -1)
\end{array}\right.$

を証明してみましょう.

まず, $ x^n > n(x-1) + 1$ より $ r > 0$ ならば $ r^{n} > n(r-1) + 1$ となります.

$ r > 1$ のとき $ \delta = r - 1$ とおくと $ r^{n} > n(r-1) + 1 = n\delta + 1$,ここで

$\displaystyle \lim_{n \rightarrow \infty} n \delta = \infty$

に注意すると $ r^n \longrightarrow \infty$

$ r = 1$ のとき $ r^n = 1^n = 1$ となるので $ r^n \longrightarrow 1$.

$ \vert r\vert < 1$ のときには $ \displaystyle{\frac{1}{\vert r\vert}}$ を考えます.$ \vert r\vert < 1$ ならば, $ \displaystyle{\frac{1}{\vert r\vert} > 1}$ となるので $ \displaystyle{x = \frac{1}{\vert r\vert}}$ とおくとBernoulliの定理より

$\displaystyle (\frac{1}{\vert r\vert})^n > n(\frac{1}{\vert r\vert} - 1) + 1 \longrightarrow \infty $

よって $ \vert r\vert^n \longrightarrow 0$.これより $ r^n \longrightarrow 0.$

最後に $ r \leq -1$ のとき $ \delta = -r -1 \geq 0$ とおくとBernoulliの定理より

$\displaystyle (-r)^n > n(-r-1) + 1 = n \delta + 1 \longrightarrow \infty $

つまり $ n$ が偶数のとき $ r^n$ は大きな正の数となり $ n$ が奇数のときは $ r^n$ は絶対値が大きな負の数となります.このように正と負の間をいったりきたりしている数列を振動するといいます. $  \blacksquare$

確認問題


1.
次の数列の極限を求めよう.

(a) $ \displaystyle{\{a_{n}\} = \{\sqrt{n}\}}$ (b) $ \displaystyle{\{a_{n}\} = \{\frac{n+1}{n^{2}}\}}$ (c) $ \displaystyle{\{a_{n}\} = \{\frac{n^{2}}{n + 1}\}}$

(d) $ \displaystyle{\{a_{n}\} = \{\frac{2^{n} - 1}{2^{n}}\}}$ (e) $ \displaystyle{\{a_{n}\} = \{\frac{1}{n} - \frac{1}{n+1}\}}$

2.
次の数列は有界か調べよう.また,単調性についても調べよう.

(a) $ \displaystyle{\{a_{n}\} = \{\frac{2}{n}\}}$ (b) $ \displaystyle{\{a_{n}\} = \{\sqrt{4 - \frac{1}{n}}\}}$

3.
次の漸化式で定義される数列 $ \{a_{n}\}$ の一般項を求めよう.

(a) $ \displaystyle{a_{1} = 1, a_{n+1} = \frac{1}{n+1}a_{n},  n \geq 1}$ (b) $ \displaystyle{a_{1} = 1, a_{n+1} = a_{n} + 2,  n \geq 1}$

(c) $ \displaystyle{a_{1} = 1, a_{n+1} = a_{n} + 2n + 1,  n \geq 1}$

演習問題


1.
次の数列の極限を求めよう.

(a) $ \displaystyle{\{a_{n}\} = \{n^4 - 3n^3\}}$ (b) $ \displaystyle{\{a_{n}\} = \{\frac{3n^{2}+5}{4n^{3} - 1}\}}$ (c) $ \displaystyle{\{a_{n}\} = \{\frac{1 - n}{n - \sqrt{n}}\}}$

(d) $ \displaystyle{\{a_{n}\} = \{\frac{n(n+2)}{n+1} - \frac{n^{3}}{n^{2}+1}\}}$ (e) $ \displaystyle{\{a_{n}\} = \{\sqrt{n+1} - \sqrt{n}\}}$

2.
$ a > 0$ のとき $ \displaystyle{\lim_{n \rightarrow \infty}\sqrt[n]{a} = 1}$ を証明しよう.
3.
$ \displaystyle{\lim_{n \rightarrow \infty}\sqrt[n]{a} = 1}$を用いて次の極限値を求めよう.

(a) $ a > b > 0$のとき, $ \displaystyle{\{ (a^n + b^n)^{\frac{1}{n}}\}}$ (b) $ \displaystyle{\{a_{n}\} = \{(1+2^{n}+3^{n})^{\frac{1}{n}}\}}$