これまでに扱った2重積分は,領域 が有界でかつ関数 も 上で有界のときでした.ここではもう少し広い範囲での2重積分,つまり が有界でない場合を考えてみましょう.
内の有界な閉領域の列
が
をみたし, 内のどのような集合も必ずある
に含まれるようにでき,また, が各
上で積分可能で
が存在するならば, は 上で積分可能(integrable) であるといい,次のように定義します.
例題 7..5
次の2重積分を求めてみましょう.
解
まず,領域 は有界でないので,次のような有界な閉領域の列
を考えます.
この閉領域の列
を図示すると図7.8を得ます.
図 7.8:
閉領域の列
|
上での積分は極座標変換
を用いて行うと,
したがって,
とすると が求まり, .
次に 上で が有界でない場合を考えてみましょう.
例題 7..6
のとき,次の2重積分を求めてみましょう.
解
とおくと,図7.9を得ます.
図 7.9:
領域の列
|
これより,
したがって,
とすると が求まります.
.
確認問題
- 1.
- 次の広義積分を求めよう.
(a)
(b)
(c)
演習問題
- 1.
- 次の広義積分を求めよう.
(a)
(b)
(c)
(d)
(e)
(f)
- 2.
- 例題7.4を用いて,
を示そう.