方程式
から,
の関数としての
つまり
を考えることができます.一般に2変数関数
に対して,1変数関数
が常に
を満たすとき,
を方程式
から定まる陰関数(implicit function) といいます.
から定まる陰関数
を求めることは,
を
について解くことと同じです.しかし
の形によっては,ある
の値に対して,
を満たす
の値は1つもないことがあります.そこでどんな場合に陰関数が存在するかが問題になります.これについて,次の定理があります.
を含む領域
で
は
級とする.
の近傍で
の定める陰関数
がただ1つ定まり,次の関係が成り立つ.
![]() |
![]() |
||
![]() |
![]() |
||
![]() |
![]() |
つまり,
となる点の近くでは(1)を満足する陰関数
が存在し.さらに
に関して微分可能であることが証明されています.だから(1)の両辺の全微分をとると
により
について微分すると
![]() |
![]() |
![]() |
|
![]() |
![]() |
となります.
を求めてみましょう.
解
とおき,
の全微分を求めると,
なので,
2変数関数のときと同じように3変数関数
において,
の陰関数
について考えることができます.
から定まる
の陰関数
について
を求めてみましょう.
解
の全微分をとると
より
と
は独立変数であることに注意すると,
次に2つの式
から
が
の陰関数として定まる場合について考えてみましょう.
から,
が
の関数として定まるとき
を求めてみましょう.
解
とおき,全微分をとると,
を消去すると
を消去すると
*陰関数の極値
から定まる陰関数
の極値を考えてみましょう.まず
で極値
をとるとすると,陰関数の存在定理より
が極値をとるためには
でなければならないので
.次に
が極小値か極大値か調べるために,
を求めると
で極小値
,
で極大値
.ここまでをまとめると次の定理を得ます.
は
級とする.
より定まる陰関数
が
で極値
をとるならば,
ならば
極小値である.
ならば
極大値である.
から定まる
の関数
の極値を求めてみましょう.
解
まず,
を満たす
を求めます.
.次に
を計算すると
のときの
は極小値,
のときの
は極大値,
のときの
も極大値です.
を求めよう.
を求めよう.
上の点
における接線と法線を求めよう.
上の点
における接平面と法線を求めよう.
の極値を求めよう.