正の項と負の項が交互にあらわれる級数を 交項級数(alternating series) といいます.
ここで,ドイツの数学者 Gottfried Wilhelm Leibniz (1646-1716) によって示された交項級数が収束するための十分条件を学びます.
証明 この級数の第n部分和を とすると,
交項級数 はLeibnizの定理の条件を満たしているので収束します.ところがこの級数の各項の絶対値をとって作った級数 は調和級数となり発散します.このように が収束し が発散する級数を 条件収束(conditionally convergent) するといいます.また も収束する級数 を 絶対収束(absolute convergent) するといいます.
が収束しても は収束しない場合があることは分かりました.では,その逆はどうなのでしょうか.つまり, が収束して が収束しない場合はあるのでしょうか.ちょっと考えてみて下さい.
証明 の第n部分和を , の第n部分和を とおくと,
ここで,収束する級数と発散する級数の決定的な違いを調べてみましょう.まず,次のような交項級数を考えます.