深さ
m の井戸にカエルが落ちました.カエルは必死に井戸からでようとしています.一回目のジャンプで1mとびあがり,二回目のジャンプで
m, 三回目のジャンプで
m と次々に前回の半分の距離をジャンプしていきました.ここで質問です.このカエルはやがて外にでれたでしょうか.考えてみましょう.まず,
とおくと, 質問は
が数列のとき,この数列を用いて新たに数列
項までの部分和
を 第
部分和(nth partial sum) といいます.
数列
は形式的に
が収束するとき,つまり
が存在するとき,級数
は
に収束する(convergent) といい,
の和は
であるといいます.また,数列
が収束しないとき,級数
は 発散する(divergent) といいます.
を求めてみましょう.
解
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は収束し,その和は
です.
これを一般化したものに次の定理があります.次の級数は簡単に収束,発散の判定ができるのでよく用いられます.
のとき,
証明
のとき,
より発散.よって
について考えます.
を求めてみましょう.
解
まず
を部分分数で書き直してみると,
を求めると
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|
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||
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部分和は途中がすべて消えてしまうので,telescoping sum(望遠鏡級数)ともよばれています.
ここで収束する級数すべてにおいて成り立つ定理を示します.
が収束するならば,
証明
よって
この定理の対偶をとると数列
が収束しなければ,級数
は発散することになります.これより,級数の収束,発散を調べるときには,この定理をまず用いてみて下さい.
の収束,発散について調べてみましょう.
解
まず,
を計算してみましょう.
は発散します.
この定理の逆は必ずしも正しくありません.例えば級数
は0に収束しますが,この級数は次に示すように調和級数なので発散します.
証明
まず,
のとき,
の場合を考えます.
とおくと,
は
で単調減少となるので,
の場合を考えてみましょう.
は上に有界な単調増加数列となるので収束.
また
の場合
の場合