分布は1つの自然数を含む連続型分布で,
と表しをその自由度という。分布の密度関数は次の式で与えられる。
ここで,ガンマ関数は
で定義される。
分布の名前は次の性質から来ている。
定理 3..4
確率変数
が同一の標準正規分布に従い,互いに独立ならば,その統計量
は自由度 の 分布に従う。その期待値と分散は
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定理 3..5
[分布の加法性]
がそれぞれ自由度,の分布に従い,互いに独立ならば,
は自由度の分布に従う。
標本分散に関して,次の定理がある。
定理 3..6
の正規分布に従う母集団から無作為で得た標本を
とすると,
は自由度が の 分布に従って分布する。
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例題 3..9
母集団が正規分布であるとする.が20の標本から標本分散を求めたところ,その値は1.5であった。母分散が1のとき,標本分散が1.5より大きい確率を求めよ.
解
を求める。
より,
は自由度19の分布に従う。したがって,
ここで,分布表を用いると,
で
より,