母集団の中で,ある属性に対して事象の起こる割合を事象の母比率といいます.
母比率がの二項母集団から抽出された大きさの標本を
とします.ここで,
とします.このとき,
とすると,は標本中であるものの個数を表す統計量で,
は事象の標本比率といいます.
は母比率 の不偏推定量である
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母比率の二項母集団から大きさの標本
をとり,
とするとは二項分布に従います.ここでが十分大きいときにはラプラスの定理によって,は近似的に正規分布
に従い,標本比率
は近似的に正規分布
に従います.よって,標準化を行うと
したがって,
が成り立ちます.この式を書き直すと
この両辺は母数を含んでいるが,が非常に大きいときにはで近似できるので,母比率の信頼度
の信頼区間は
となります.
定理 3..2
[ラプラスの定理]
のとき,十分大きなに対して
は近似的に
に従う.
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例題 3..7
サイコロを600回投げたところ,1の目が108回出たという.1の目が出る母比率を信頼度で区間推定せよ.
解答 標本比率は
.また,
であるから,上記の公式に代入すると
より,
となります.