上の任意の点
に対して定義されたスカラー場を
とします.ただし,曲面
は滑らかな曲面とします.
を
個の小さな面
に分割し,この分割を
で表わします.次に曲面
の面積を
とし,
の中に点
をとり,次の和を考えます.
を限りなく小さくしたとき,
が限りなく
に近づくならば,この極限値
をスカラー場
の 面積分(surface integral) といい
で表わします.
ここで面積素
は
と
を2辺とする平行四辺形の面積で近似できるので,
の曲面
上での面積分は,次のように表わされます.
ここで,
は
に対応する
平面上の領域です.
の放物面
のうち
の部分上での面積分を求めてみましょう.
解
曲面
より対応する
を位置ベクトルとすると
の法線ベクトル
を求めると
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より極座標変換を行なうと
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||
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, ただし,
を求めよ.
と
軸,
軸,
軸の交点をそれぞれA,B,Cとする.
ABCを曲面
とするとき,
を求めよ.
線積分と同様に曲面
上で定義されたベクトル場
の面積分を曲面
の法線ベクトル
または,面積ベクトル
を用いて定義し,次のように表わします.
なお
の方向と
の方向は等しいので
上のベクトル場
の面積分は次のように2重積分で表されます.
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また, 方向余弦を用いて
とすると,次のようにも書けます.
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||
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で表される曲面を
とする.曲面
の法線単位ベクトル
は次の式で与えられることを証明せよ.ここで,
とする.
流束
ここで,ベクトル場
を,流体が流管中を定常的にながれるときの,ある点での速度場とするとき,
を
の
に向かう束(flux) といいます.よって速度場
の束が流速(流量)
となり,その面積分
を 束積分(flux integral) といい,全流束(全流量)を表わします.
,曲面
とする.このとき面積分
を求めてみましょう.
解
位置ベクトルは
より
より極座標変換を行うと
より
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||
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,曲面
とする.このとき面積分
を求めよ
の球面を
とする.任意の点Pの位置ベクトルを
とする.球面
の単位法ベクトル
を
の外側に向けてとれば,次の式が成り立つことを証明せよ.
解
より,
では,位置ベクトルは
. よって,
,曲面
は面
で囲まれている部分とする.このとき,面積分
を求めよ.解
面DEFG:
より位置ベクトル
. ここで,正の方向は面DEFGの裏から表へ向かう方向である.したがって,法線単位ベクトルは
平面への正射影は
より,
面ABCO:
より位置ベクトル
. ここで,正の方向は面ABCOの裏から表へ向かう方向である.したがって,法線単位ベクトルは
平面への正射影は
より,
面ABEF:
より位置ベクトル
. ここで,正の方向は面ABEFの裏から表へ向かう方向である.したがって,法線単位ベクトルは
平面への正射影は
より,