線形写像の行列表現を用いて, もう一度線形写像の核と像について調べてみましょう.線形写像
を
とします.このとき
は
の像が
になる
の要素の集まりでした.つまり連立1次方程式
はどうでしょうか.
は
のすべての元の像の集まりなので
となります.これから 次元公式とよばれる次の定理を得ます.
を線形写像とするとき,
の行列表現を
とするとき,
を求めよう.
解
は
と等しく,
より
を求めれば
が求まる.
. したがって
.
ベクトル空間
の間に線形写像
も線形写像となりました(例題3.2).そこで各空間に基底をとり, それらに関する
の行列を
とすると
に対して
の行列表現は
となります.
の基底
に関する行列表現を
とするとき, 次の条件は同値である.
は同型写像である.
行列
は正則行列である.
証明
の行列表現を
とする.
は同型写像より
が存在する.
の行列表現を
とすると,
が成り立つから,
は正則行列である.
が正則行列ならば
となる行列が存在し, この
に対する写像を
すると
.よって, 演習問題3.3より
は同型写像.
1. 次の写像のうち線形写像はどちらか.
2.
は
次元ベクトル空間,
を
の基底とする.
を
と定義すると,
は線形写像になることを示せ.
3. 線形写像
について, 次の条件は同値であることを証明せよ.
は同型写像である.
を満たす線形写像
が存在する.
4.
が線形写像のとき,
は
の部分空間であることを示せ.
5.
が
のとき, 標準基底
に関する
の行列表現
と基底
に関する行列表現
を求めよ.
また
を求めよ.
6.
が,
,
をみたすとき,
の行列表現を求めよ.