偏微分の計算において重要な役割を果たす合成関数の微分公式を次にあげます.
定理 6..5
が全微分可能であり,
が微分可能ならば,合成関数
は微分可能であり,次の式が成り立つ.
が全微分可能であり,
がともに微分可能ならば,合成関数
も微分可能であり,次の式が成り立つ.
定理6.6(2)の公式を樹形図にして表わすと次の図6.6のようになります.
図 6.6:
合成関数
![\begin{figure}\begin{center}
\includegraphics[width=4.5cm]{CALCFIG/Fig6-6-1.eps}
\end{center}\vskip -0.5cm
\end{figure}](img3525.gif) |
証明
(2)
例題 6..17
上の定理を使って
を
について微分してみましょう.
図 6.7:
z-x-t, z-y-t
![\begin{figure}\begin{center}
\includegraphics[width=7cm]{CALCFIG/Fig6-6-2.eps}
\end{center}\end{figure}](img3531.gif) |
解
例題 6..18
は
を満たすことを示してみましょう.
解
とおくと
より図6.8を得ます.
図 6.8:
z-u-xy
![\begin{figure}\begin{center}
\includegraphics[width=6.7cm]{CALCFIG/Fig6-6-3.eps}
\end{center}\vskip -0.5cm
\end{figure}](img3539.gif) |
これより
したがって
確認問題
- 1.
-
を求めよう.ただし,
は
級とする.
(a)
(b)
(c)
(d)
- 2.
- 次の関数について,
を求めよう.
(a)
(b)
(c)
演習問題
- 1.
-
を求めよう.ただし,
は
級とする.
(a)
(b)
(c)
(d)
- 2.
- 次の関数について,
を求めよう.
(a)
(b)
(c)
- 3.
-
のとき,次の式が成り立つことを示そう.