平面 の部分集合 に属する各点
に対して,実数 が1つ定まるような規則 を から
への2変数関数といい,
または
で表わします.このとき を独立変数, を従属変数といいます.またこのような を関数 の 定義域(domain) といい で表わします.つまり,
また, を の 像(image) といい,その集合は 値域(range) といい で表わします.つまり,
の像 を空間上に描いたものを関数 の グラフ(graph) といい, で表わします.つまり,
よって2変数関数のグラフは曲面を表わします.
例題 6..1
の定義域を求め,
のグラフを描いてみましょう.
解
まず,定義域は
となります.
のグラフは次のように描きます.まず, とおくと
となり, 平面上でのグラフを得ます.次に, とおくと
となり, 平面上でのグラフを得ます.最後に, とおくと
となり,平面 上でのグラフを得ます.この平面 上のグラフを 等高線(level curve) といいます.
これらの情報よりグラフを描きます.
図 6.1:
f(x,y)のグラフ
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ただ,一般に2変数関数のグラフは難しすぎて,描けないことがしばしばあります.これが3変数関数
となると,グラフを描くには4次元の空間が必要となるため描けません.そこで3変数関数はどんな行動をとるのか,等位面(level surface) とよばれるものをもちいて調べます.等位面とは
を満たす点 の集まりのことです.つまり
このとき,この等位面を等位 の等位面といいます.等高線でも同じことがいえます.
で等高線が与えられるとき,この等高線を高度 の等高線といいます.
2次曲面 1変数の関数は平面を用いて表しましたが,2変数の関数は空間を用いて表わすことを学びました.そこで,ここでは,次の2次式で表される曲面について分類します.
適当な変数変換により,非退化な2次式は次の9個の型に分類されます.ここで,退化な2次式とは,
や
のように,式を満たす点が無い場合や1点しか無い場合をいいます.
- 楕円面(ellipsoid)
- 1葉双曲面(hyperboloid of one sheet)
- 2葉双曲面(hyperboloid of two sheet)
- 2次錐面(quadric cone)
- 楕円放物面(elliptic paraboloid)
- 双曲放物面(hyperbolic paraboloid)
- 放物柱(parabolic cylinder)
- 楕円柱(elliptic cylinder)
- 双曲柱(hyperbolic cylinder)
確認問題
- 1.
- 次の関数の定義域と値域を求めよう.
(a)
(b)
(c)
(d)
(e)
(f)
- 2.
- 次の曲面を分類しよう.
(a)
(b)
(c)
(d)
(e)
(f)
(g)
(h)
(i)
演習問題
- 1.
- 次の関数の定義域をもとめそのグラフを描こう.
(a)
(b)
(c)