同じ数を2回以上かけあわせたものを,その数の累乗(power)またはべきといいます.例えば,を3回かけあわせたとすると,「の3乗」といい,と表します.このとき,を底(base)テイといい,かけた回数を添え字として右肩に小さく書き指数(exponent)といいます.
例題 0..4
次の値を求めてみましょう.
(1)
解
累乗どうしの掛け算はそれほど難しくはありません.例えば,とをかけると,を3回と4回の合計7回かけることになるので,
一般に,でが整数のとき,
が成り立ちます.
さて,累乗どうしの割り算はどうでしょうか.例えば,をで割ってみましょう.
となります.次に,をで割ってみましょう.
となります.ちょっと不便ですね.そこで,
と定め,これを負の指数(negative exponent)といいます.これを用いれば,
と表せます.一般に,が整数のとき,
が成り立ちます.
例題 0..5
次の値を求めてみましょう.
(1)
(2)
(3)
(4)
解
(1)
(2)
(3)
(4)
を満たすをの乗根ということを以前説明しました.これを記号で表そうとすると,が偶数か奇数かとが正,零,負によって異なるので,簡単ではありません.そこで,一般に,
と表すときには,であるという条件をつけます.さて,
とはなんでしょうか.
は
のことです.したがって,
となります.このようにして,指数を整数から有理数へと拡張することができます.これより,,
のとき,次の指数公式が成り立ちます.
-
-
-
-
-
これをさらに有理数から実数へと拡張しようとするためには,極限値の話が必要となります.
確認問題
- 1.
- 次の数は有理数か無理数か答えよう.
(a)
(b)
- 2.
- 次の数の絶対値を求めよう.
(a)
(b)
- 3.
- , , のとき,次の値を求めよう.
(a)
(b)
- 4.
- 次の値を求めよう.
(a)
(b)
- 5.
- , を整数とするとき,次の式を簡単にしよう.
(a)
(b)
(c)
- 6.
- 次の式を簡単にしよう.
(a)
(b)
(c)
- 7.
- 次の分母または分子を有理化しよう.
(a)
(b)
(c)