不定積分の置換積分と部分積分についてすでに学んだので,ここでは定積分の置換積分と部分積分についての話から始めます.
のとき次の式が成り立つ.
証明
を
の原始関数とすると,
は
の原始関数である.したがって,微分積分学の基本定理より,
について次の式が成り立つ.
証明
解
とおくと,
となるので,被積分関数は
で表わすことができます.また積分範囲は
のとき,
なので
となります.よって
定積分でよく使われる積分に次のものがあります.
が偶関数ならば,
が奇関数ならば,
ただし,
ここで,
が 偶関数(even function) とは
において,
が成り立つことです.これを
のグラフで考えるとy軸対称となります.また,
が 奇関数(odd function) とは
において,
が成り立つことです.これを
のグラフで考えると原点対称となります.
証明
(1)
.と表わせるので,
より
とおくと
.また,
より
.よって
.これより,
(2),(3)の証明は各自に任せます.
(4) 演習問題3.8-2より
なので
について証明しよう.
のときは,
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||
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を示そう.
について以下のことについて答えよう.ただし,
は区間
で微分可能な関数とする.
(a)
は奇関数であることを示そう.
(b)
が偶関数ならば
は奇関数であることを示そう.
(c)
ならば
となることを示そう.
(d)
は偶関数と奇関数の和で表せることを示そう.