置換積分法を用いて.かなりの積分が求められるようになりました.しかし,
のような単純に思えるものも,置換積分法では手に負えないのです.実際,
とおくと
.これより,
となり,
これでは先に進めません.ではどうすればいいのでしょうか.そこで,
置換積分を用いても不定積分が求められないとき,最後の手段として用いるものに,部分積分法(integration by parts) があります.
定理 3..5
[部分積分法]
が連続であるとき,次の式が成り立つ.
証明
これより,
は
の不定積分となります.
上の式で,
とおくと,次の式が成り立ちます.
例題 3..8
部分積分法を用いて,
を求めてみましょう.
解
よって
これより,
を求めるときは任意の定数 を無視できます.
例題 3..9
を求めてみましょう.
解
まず,
とおくと,
より,
.よって
となり,積分公式(1)から(12)を用いて積分できません.そこで,部分積分を用います.
よって
ここで,
とおくと,
.よって
これより,
例題 3..10
を求めてみましょう.
解
よって
確認問題
- 1.
- 次の不定積分を求めよう.
(a)
(b)
(c)
(d)
(e)
(f)
(g)
演習問題
- 1.
- 次の不定積分を求めよう.
(a)
(b)
(c)
(d)
(e)
(f)
(g)
(h)
(i)
(nは整数)
(j)
(k)