確率分布(Probability distribution)

例題 2..1  

サイコロを6回投げるとき,$E =$ 「1の目がでる」という事象のおきる確率は $P(E) = \frac{1}{6}$で与えられる.このとき,$X = $「事象$E$が発生する回数」とおくと,$X$は0から6までの7個の値をとる変数で,

$\displaystyle p_{i} = P(X = i) = \binom{6}{i}\left(\frac{1}{6}\right)^{i}\left(\frac{5}{6}\right)^{6-i}$

で与えられます.したがって,$X$は確率変数で,その確率分布は2項分布(binomial distribution)とよばれ, $X \sim B(6,\frac{1}{6})$と表します.

次の1〜3を満たす試行をベルヌーイ試行といいます.

  1. 各試行において,その事象が発生するか否かのみを問題にする
  2. 各試行は統計的に独立
  3. 対象とする事象が発生する確率は,各試行を通じて一定

1回の試行において,ある事象$X$が発生する確率を$p$とします.$n$回のベルヌーイ試行列において,ちょうど$i$回事象$X$が発生する確率は

$\displaystyle P(X = i) = \binom{n}{i}p^{i}(1-p)^{n-i}$

で表され,このとき$X$の確率分布を2項分布といい, $X \sim B(n.p)$と表します.

確率変数$X$のとる値が有限個または,無限個であっても自然数で番号が付けられる場合,確率変数$X$離散型であるという.また,確率変数$X$がある区間内の全ての実数を取り得る場合,連続型であるという.