広義固有空間
を
次正方行列とし,
を
の部分空間とします.
に属する任意のベクトル
に対して
となるとき, 部分空間
は A - 不変(A - invariant)であるといいます.
行列
の固有多項式を固有値の重複度でまとめて
に対して
です.
証明
(1)
のとき,
となるベクトル
が存在したとする.このとき
かつ
がある.
とおくと
より,
となる整数
がある.しかし,
より
となるが,
のとき
としたので, これは矛盾である.
(2)
を
の相異なる固有値とする.
に対して
ならば
の場合は明らかなので
のとき
となる整数
をとり, 上の式(**)の両辺に左からかけると
![]() |
![]() |
||
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は
- 不変より,
となる.また, (1)より
のとき
.したがって,
となる.これより帰納法の仮定が使えて,
を得る.よって,
となり,
を得る.
(3) (2)で示した1次独立性より
なので, (3)を示すには
をいえばよい.
行列
は, 定理4.3より, ユニタリ行列
を用いて次の形に三角化できる.
は
の
次元部分空間になる.また,
の形より
の任意のベクトル
に対して
は正則なので
とおくと,
は
に含まれる
次元の部分空間になり, 不等式
を得る.固有値の順番を入れ替えて考えれば,
が成り立つ.
証明
から基底
をとる.
は
- 不変なので,
とおくと,
は
次正方行列である.定理5.1より
の基底となる.したがって,
は正則行列となり
を左からかければ求める式を得る.
この関係式を用いると
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|
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の固有値が
だけであることを示せば
が
を固有値として持ち,
に対する固有ベクトル
とする.このとき
で
を満たす.したがって,
, つまり,
を満たす.しかし, これは
を意味し, 定理5.1に矛盾する.