を
行
列の行列とすると,
の分解が存在する.
は
行
列のユニタリ行列,行列
は
行
列の対角行列成分は非負,
はユニタリ行列
の随伴行列.この分解を 特異値分解という.2次形式
任意の
次の実正方行列
, ベクトル
が与えられたとき,
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に関する 双1次形式(bilinear form) といいます.
また,
が
次の実対称行列,
のとき,
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に関する 2次形式(quadratic form) といいます.
を行列を用いて表そう.
解
であるから
つぎに変数の変換を考えてみましょう.
が実対称行列ならば定理4.6より
は直交行列で対角化可能です.そこで直交行列
を
が対角行列になるように選び,
とおくと
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また, これより次のことが分かります.
の固有値がすべて正であるならば, すべての
に対して,
である.このような2次形式を 正値2次形式(positive definite) といいます.
の固有値がすべて負であるならば, すべての
に対して,
である.このような2次形式を 負値2次形式(negative definite) といいます.
を行列を用いて表し, 正値2次形式か調べよう.また標準形を求めよう.解 この2次形式の行列は
より,
の固有値は
(重複度2),
であるから, この2次形式は正値ではない.また
は実対称行列なので直交行列
によって対角化されるから,
とおくと標準形
を行列を用いて表し, 標準形を求めよう.解 この2次形式の行列は
より,
の固有値は簡単に求められない.そこで次のような固有値を求めず標準形を求める方法を考える.
もともと正則行列は基本行列の積なので, 実際に対角化を行なう方法として基本変形を使う方法があった.
は対称行列.そこでまず,
と
に
を行なうと
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に行なった基本操作と同じものを列
に行なうと
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に
を行い,行列
の列
に
を行うと,
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|||
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は対角行列に変形された.そこで,
とおくと,
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が複素正方行列のときも同じようなことができます.
任意の
次の複素正方行列
, ベクトル
が与えられたとき,
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||
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に関する エルミート形式(Hermitian form) といいます.
また,
が
次のエルミート行列で
のとき,
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に関する 複素2次形式(complex quadratic form) といいます.この場合
はエルミート行列, つまり正規行列なので定理4.5より
はユニタリ行列で対角化可能です.そこでユニタリ行列
を
が対角行列になるように選び,
とおくと
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1. 次の行列をユニタリ行列により対角行列に変換せよ.
2. 次の行列を直交行列により対角行列に変換せよ.
3.
がユニタリ行列により対角行列に変換される条件を求めよ.
4. 次の2次形式を直交行列による変換により標準化せよ.
5. 次のエルミート行列をユニタリ行列による変換により標準化せよ.