2点 R,Q を結ぶ曲線 が与えられているとします. ただし,この曲線は滑らかな曲線とします. に沿って測った弧長を とします.すると5章で学んだように曲線上の点 は弧長 をパラメターとして表わすことができます.よって曲線 の方程式は
曲線 を 個の弧 に分割し,この分割を で表わします.各曲線 の弧長を とし, の中に任意の点 をとり次の和を考えます.
で表わします.曲線 が閉じているときは
線積分の定義は,今までの積分と同じRiemann和によるものなので,線積分においても次の公式が成り立つのは明らかです.
また,曲線 が滑らかではないが有限個の滑らかな曲線 をつなげてできているとき,この曲線を 区分的に滑らかな曲線(piecewise smooth curve) といい,このような曲線に沿っての線積分は
解 点 と点 を結ぶ直線をパラメター表示すると
次に向きのついた曲線 と の上で定義されたベクトル場 が与えられているとします.ここで の接線単位ベクトル を曲線 の正の方向(長さが増加する方向)での接線単位ベクトルとします.すると は 上で定義されたスカラー場となるので,このスカラー場の曲線 に沿っての線積分は
で表わすことができます.
ここでベクトル場Fが電場の場合を考えると, は正の電荷が点Pから点Sまで曲線 にそって移動するとき,電場Fが行なう単位電荷あたりの仕事と考えることができ,これを2点間の電位差または電圧といいます.
解 とおくと.
解
別解 曲線 をパラメター表示すると
この例題で を曲線 の向きを から に変えた曲線とすると, 曲線 のパラメター表示は
となります.
(a) , Cは2点 を結ぶ線分
(b) , Cは2点 を結ぶ線分
(c) , Cは 平面上の単位円の点 から点 までの部分
(d) , Cは原点 と点 を結ぶ直線
(e) , Cは原点 と点 を に沿って結ぶ曲線