解
平面上の点
に対して,ベクトル
が対応しているので,グラフを描こうとすると4次元の空間が必要になります.残念ながら4次元の空間は用意できないので,次のような方法を用いてベクトル場を表現します.まず,
平面上の点
を選んだら,その点におけるベクトル
を,点
を始点として描きます.
図3.1をみていると,ベクトルがある曲線の接線になっていることに気づきます.この曲線を 流線(streamlines)または 力線(lines of force) といいます.一般に,
が流体の速度を表わすときには,流れに沿って引いた曲線を流線といい,
が磁場を表わすときは,磁場の向きに沿って引いた曲線を磁力線といいます.同様に,
が電場を表わすときは,電場の向きに沿って引いた曲線を電力線,
が電磁場を表わすときは,電磁場の向きに沿って引いた曲線を電磁力線といいます.
砂場に磁石を持っていって砂鉄を集めてきます.この砂鉄を紙の上に撒き,紙の下にU磁石を置くと砂鉄は磁力線に沿って並び,磁場が強いところほどたくさんの砂鉄がつくことを観察したことがあるでしょう.ここではこれらの現象を考えてみます.
電場(electric field)
電荷 から点Pまでの距離を
とし,
からPに向かう単位ベクトルを
とすると,点Pにおける電場は次式で与えられます.
万有引力場(universal gravitational field)
原点にある物質量 の物体が点P
にある物質量
の物体にはたらく万有引力場(一般に万有引力とよばれる)を
すると
勾配
ここでは空間のある領域で定義されたスカラー場に対し,
スカラー場 に対して,
で定義される曲面を,スカラー場
の 等位面(level surface) といい,
の値を変化させて得られる等位面の群を等位面群といいます.
解
点
を通る等位面を
方向微分係数
点Pにおいて 単位ベクトル を方向単位ベクトルとします.また,点Pを通り
を方向ベクトルとする直線を,点Pからの距離
を用いて,
で表わします.すると点Pにおける,スカラー場
の
方向の方向微分係数は
![]() |
![]() |
![]() |
|
![]() |
![]() |
解
次に点 での
方向の方向微分係数を求めるため方向単位ベクトルを求めると
.よって方向微分係数は
また,椄平面の方程式は
解
を流線の方程式とすると
は
の法線ベクトルを表わすので,
ポテンシャル
点Pの位置ベクトルを
とすると,万有引力の大きさや光の強さなど距離に反比例するものは少なくありません.
これらは
![]() |
![]() |
![]() |
|
![]() |
![]() |
![]() |
|
![]() |
![]() |
![]() |
|
解
![]() |
![]() |
![]() |
|
![]() |
![]() |
![]() |
|
![]() |
![]() |
![]() |
解 (1)
(2)
![]() |
![]() |
![]() |
|
![]() |
![]() |
||
![]() |
![]() |
(2)
の点P
における値