統計量と標本分布(Statistics and Sample distribution)

母集団からの大きさ$n$の無作為標本 $X_{1},X_{1},\ldots,X_{n}$とするとき,各変数は母集団の分布と同じ分布に従う確率変数と考えられる. これを標本確率変数(Sample random variable)とよぶ。ここで,母平均値(population mean)$\mu$母分散(population variance) $\sigma^{2}$が存在するものとすると,標本確率変数 $X_{i}(i = 1,2,\ldots,n)$は互いに独立に母集団に従う。よって,

$\displaystyle E(X_{i}) = \mu, V(X_{i}) = \sigma^{2}$

である。ここで,標本 $X_{1},X_{2},\ldots,X_{n}$を用いて母平均と母分散を推定することを考える。

まず,素朴に考えて, $X_{1},X_{2},\ldots,X_{n}$$n$個のデータの集まりとして,その平均と分散を求めると,

$ \bar{X} = \frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n}X_{i}$, 標本平均
$S^{2} = \frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n}(X_{i} - \bar{X})^{2}$, 標本分散

となる。

演習問題 5..1  

1. $\bar{X},S^{2}$は母平均$\mu$, 母分散 $\sigma^{2}$を推測するのに適当な統計量だろうか。ここで,統計量とは標本確率変数$X_{i}$の関数のことである。