ラプラス変換の応用としてここでは2階の定数係数常微分方程式の初期値問題
を解いてみましょう.初期条件はを新しい変数と考えれば,の場合に帰着できるので,初期条件は
としてよいことになります.ここで両辺にラプラス変換を施し,
とおくと,
これをについて解くと
最後にのラプラス逆変換を求めれば,初期値問題の解が得られます.この手順を例題を用いて示します.
例題 5..24
ラプラス変換を用いて次の初期値問題を解け.
解
両辺にラプラス変換を施すと
これをについて解くと,
最初の項を部分分数分解すると
ここで
よって,
. 同様にしてを求めると,
.これより,
また
したがって,
例題 5..25
回路の起電圧を
とする.初期電流がのとき,この回路に流れている電流を求めよ.(例題1.6参照)
解
Kirchhoffの電圧の法則より,
両辺にラプラス変換を施すと
ここで
とおき,積分法則を用いると,
これをについて解くと,
これよりを求めると,
よって
これよりラプラス逆変換を用いてを求めると,
例題 5..26
次の初期値問題を解け.
解
与えられた方程式にラプラス変換を施し,
とおくと
よって
ここでCramerの公式を用いて
を求めると,
これよりラプラス逆変換を用いて
を求めると,
となる.
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