前節で定数係数の線形微分方程式について学びましたが,変数係数になると余関数を求めるのが非常に難しかったり,不可能だったりします.そんななかで次の形をした変数係数の線形微分方程式は比較的簡単に解くことができます.この形をした方程式をEulerの方程式(Euler equation)といいます.
話をわかりやすくするため2階の場合を考えます.
においてとおいて独立変数をからに変換します.より
なので
を得ます.これより
が導かれ,これらを元の式に代入すると次の定数係数の線形微分方程式に変換されます.
この微分方程式の特性方程式
を決定方程式(indicial equation)といいます.
じつは決定方程式は簡単に求めることができます.微分方程式
にを代入するだけでよいのです.
例題 2..17
を解け.
解
とおくと,決定方程式は
となり,根はである.決定方程式は微分方程式
の特性方程式なので,一般解は
となる.
例題 2..18
を解け.
解
変数変換より,与えられた方程式は
となる.この方程式の余関数は
である.次に
より,特殊解を未定係数法で求める.
を
に代入すると
を得る.よって
となり一般解
を得る.ここでを元に戻すと与えられた方程式の一般解
を得る.
Subsections