例題 1..3
: 有理整数の全体は加法に対して群になることを示せ.
解
という対応は写像である.
(G1) 結合法則
 |
(G2) 単位元
 |
(G3) 逆元の存在
 |
よって,有理整数全体
は演算
に対して群になる.
問 1..4
絶対値1の複素数全体は乗法に関して群になることを示せ.
問 1..5
から0を除いた集合
は乗法に関して群になることを示せ.
問 1..6
を
の元を成分とする
型行列全体の集合とする.このとき,
は加法群になることを示せ.
例題 1..4
を
の元を成分とする
次正則行列全体の集合とする.このとき,
は乗法群になることを示せ.
解 2項演算を次のように定義する.
とするとき,
. これは,2項演算である.なぜならば,
のとき,
.
次に,
(G1) 結合法則:
(G2) 単位元:
(
は
次の単位行列),
(G3) 逆元の存在:
を
次一般線形群という.
を
次特殊線形群という.
証明 各自に任せる.
証明 一意性の証明と存在の証明を行う必要がある.
定理 1..3 (消去律)
群
においては,消去律がなりたつ.すなわち,群
に属する任意の元
について
証明 各自に任せる.
定理 1..4
を有限集合とする.
が群であるための必要十分条件は
(1) 2項演算
が定義されている
(2)
に関して結合法則が成り立つ
(3)
に関して消去律が成り立つ