定義 1..1
集合
の元
と集合
の元
の順序対
全体の集合を
と
の直積集合(direct product set)といい,
で表す.たたし,
である.
例題 1..1
の直積集合を求めよ.
解
例題 1..2
を整数全体の集合,
を有理数全体の集合,
とする.このとき,
を
と定義すると,
は写像である.
解
とすると,直積の定義より,
.よって,
となり,
は写像である.
定義 1..3
集合
の直積集合から
への写像を
の2項演算(binary operation)という.
の元
の写像による像を
と
の積といい,記号
または
で表す.また,このとき,集合
に1つの2項演算が与えられているといい,
と表す.
問 1..1
に2項演算
が与えられている.このとき,2項演算
は結合法則を満たすか調べよ.
定義 1..5
群
に属する任意の元
に対して,
が成り立つとき,
を可換群,または,アーベル群という.
問 1..2
を群
の元とする.
と
が可換であるとき,
が成り立つことを示せ.
問 1..3
単位元の逆元は単位元であることを示せ.