定義 1..6
集合
の直積集合
の部分集合
が与えられているとする.
であって
であるとき,
と書き,
と
は
という関係にあるという.特に,次の3つの条件を満たすものを同値関係(equivalence relation)という.
- 反射律(reflexive)
- 対称律(symmetric)
- 推移律(transitive)
を同値関係とする.
の元
に同値である
の元全体を
で表して,
を
の同値類(equivalence class)といい,
を同値類
の代表元という.
定理 1..5
を
上の同値関係とする.すべての同値類から1つずつ元を選んで集めた集合を
とする.このとき,全ての
に対して,
ならば,
と表せる.逆に,
ならば
上に同値関係を構築することができる.
つまり,
上に同値関係があれば,もとの集合
は同値類
によって分割される.このことを集合
は同値関係
によって類別されるといい,
をこの同値関係
の完全代表系という
問 1..7
は1より大きい整数,
に対して,
mod
と定義すると,
は同値関係であることを示せ.また,同値類
を求めよ.このとき,
は剰余類という.
を法とする剰余類の集合を
で表すと,
問 1..8
mod
を示せ.
問 1..9
を法とする剰余類の集合
には,
の演算から自然に演算が導入される.すなわち,
の元
に
の元
を対応させると写像を与えることを示せ.
例題 1..5
剰余類の集合
は上で定めた加法
により群になる.
(G1)
(G2)
(G3)