listening comprehension

英語を聞いて分かるとは、どのようなことでしょうか。仕事の関係でアメリカで生活している人たちを見ていると、アメリカに来てから6ヶ月くらいのところで、大人の人でも相手が何を言っているのか分かるようになってきたといいます。しかし、本当に相手の言うことが分かるようになったのでしょうか。私が見てきた多くの英語を母国語としない人たちは、本当は相手が何を言っているのか分かっていませんでした。では、なぜ分かるようになったと感じたのでしょうか。実は、私たちの脳は一字一句すべてが分からなくても、単語と単語の間を埋めることができるのです。アメリカで半年も暮らすと、アメリカ人の発音に耳がなれて、自分の知っている単語と、発音されている単語とが一致するようになります。すると、一つの文の三分の一程度の単語が分かったとしても、脳が間を埋めるために分かったような気がするのです。では、本当に分かるようにするにはどうすればよいのでしょうか。そのことについてお話します。

読解のところで、お話したように、英語の文は左から理解していくということです。リスニングでは、特にこのことに注意が必要です。英語では必ず主語が文の初めのほうに出てきます。そこで、主語を聞き分ける力を身につける必要があります。そのためには、以下のようにするとよいでしょう。

  1. 聞く力を付けるには、正しい発音で発音された単語を覚える必要があります。今や、インターネットで正しい発音を聞くことができるので、利用してください。
  2. 自分の知っている単語を全て正しい発音で聞きなおしてください。できれば、自分でその音にできるだけ近い音を出す訓練をしてください。

これは非常に大事なことです。日本語を母国語とする人の多くは、自分勝手な発音で単語を覚えてしまい、英語を母国語とする人の言葉が理解できない場合が多々あります。これに関連した話で、アメリカ英語を母国語とする人は、イギリス英語やオーストラリア英語を聞いた場合、半分くらいしか聞き取れないといいます。日本では、日本人は日本語訛りで英語を喋ればよいので、発音なんか気にするなという声を耳にしますが、相手が聞き取れないような言葉を喋っても意味がないでしょう。

英語を聞くときにも主語を見つけたら、(何している、どうなっている)という質問をし、その後で、(どこに、どのように)という質問を頭のなかでするとよいでしょう。