LaTeXの記述法

TeXはDonald Knuth氏によって開発されたことはすでに述べました.このTeXをもっと簡単に書くためにマクロを用意したのがLeslie Lamport氏でLaTeXとよばれています.ここでは,LaTeXの記述法の話をします.

LaTeXを用いると,数式を含んだ文書をそのまま製本できるところまで美しく仕上げることができます.しかし,ここでは,あくまでLaTeXを用いた数式表現についての話にとどめます.

LaTeXで数式を表す方法は6通りあります.

  1. 文中で数式を記述するときは,式の最初と最後を$記号で囲みます. 例えば,
    Eulerの公式 $ e^{-i\pi} + 1 = 0$は人類の英知の結晶である.
    と表示したい場合,

    Eulerの公式$e^{-i\pi} + 1 = 0$は人類の英知の結晶である.

    と記述します.

  2. 式を独立させて書くときには,式の最初と最後を$$で囲むか,\[と\]で囲みます 例えば,
    \[e^{-i\pi} + 1 = 0\]
    と書くと,

    $\displaystyle e^{-i\pi} + 1 = 0$

    と表示されます.

  3. 式に番号を付けたいときには,

    \begin{equation}
    e^{-i\pi} + 1 = 0 \label{eq:euler}
    \end{equation}
    と書きます.すると,

    $\displaystyle e^{-i\pi} + 1 = 0$ (1.1)

    と表示されます.

  4. 複数行に渡る式に番号を付けたいときには,

    \begin{eqnarray}
    e^{-i\pi} + 1 &=& 0 \label{eq:euler1} \\
    e^{i\pi} - 1 &=& 0 \label{eq:euler2 }
    \end{eqnarray}
    と書きます.すると,

    $\displaystyle e^{-i\pi} + 1$ $\displaystyle =$ 0 (1.2)
    $\displaystyle e^{i\pi} - 1$ $\displaystyle =$ 0 (1.3)

    と表示されます.

  5. 複数行に渡る式に番号を付けたくないときには,

    \begin{eqnarray*}
    e^{-i\pi} + 1 &=& 0 \label{eq:euler1} \\
    e^{i\pi} - 1 &=& 0 \label{eq:euler2 }
    \end{eqnarray*}
    と書きます.すると,

    $\displaystyle e^{-i\pi} + 1$ $\displaystyle =$ 0  
    $\displaystyle e^{i\pi} - 1$ $\displaystyle =$ 0  

    と表示されます.

  6. 複数行に渡る式の中のある式には番号を付けたくないときには,

    \begin{eqnarray}
    e^{-i\pi} + 1 &=& 0 \label{eq:euler1} \\
    e^{i\pi} - 1 &=& 0 \nonumber
    \end{eqnarray}
    と書きます.すると,

    $\displaystyle e^{-i\pi} + 1$ $\displaystyle =$ 0 (1.4)
    $\displaystyle e^{i\pi} - 1$ $\displaystyle =$ 0  

    と表示されます.



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