の回転を求めてみましょう.解
ベクトル場の回転を求めるのはそれほど難しくないことですが,ベクトル場の回転とは何かは分かりにくいものとなっています.そこで次の例を考えながらベクトル場の回転とは何かを理解しましょう.
のとき,このベクトル場によって点A
, B
, C
, D
からなる四辺形ABCDをどれだけ回転させられるか調べてみます.
まず,点A
での水平方向の成分は
.
点D
での水平方向の成分は
が正のとき,四辺形 ABCD は時計回りに回転します.また,点 A,Bでの垂直方向の成分の差
が正のとき,四辺形 ABCD は反時計回りに回転します.よって
が四辺形に与える回転力の大きさとなり,その力の方向は右ねじの法則より四辺形に垂直な方向
となります.これがcurlの名前の由来です.このことから
のときベクトル場
は渦なしとなります.
解
が保存場より,
となる
が存在します.よって
を求めると
と任意のベクトル場
について次の式が成り立つ.
とし,
を定ベクトルとする.次の等式を証明せよ.
(1)
(2)
とすると,
スカラー・ポテンシャル
ベクトル場
がポテンシャル
を持てば,
であるから,定理3.2によって,
となります.逆はどうでしょうか.
について
ならば,ベクトル場
はポテンシャルを持つ
を求めてみましょう.ただし,
は閉曲線
は点
から点
に至る曲線.解 (1)
はスカラーポテンシャルをもつので,実際にスカラーポテンシャルを求める.
.ここで,
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ベクトル・ポテンシャル
ベクトル場
に対して,
が存在するとき,ベクトル場
はベクトル・ポテンシャル
を持つといいます.ここで,ベクトル場
がベクトル・ポテンシャル
を持つならば,定理3.2より,
となるので,
が成り立ちます.逆はどうでしょうか.
について,
ならば,ベクトル場
はベクトル・ポテンシャルを持つ.
演習問題を解くために,新たな記号を導入します.ベクトル場
とナブラ
の形式的内積
とベクトル場
に作用させると,
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公式
演算子
を含んだ式を処理するには,
を
とおいて,
を作用させ,その後ベクトル代数で学んだ,スカラー3重積,ベクトル3重積を用いて処理する.
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と
を入れ替えると,
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とする.次のものをもとめよ.
が
を満足するように
を定めよ.
であれば,
であることを証明せよ.
を定ベクトルとする.任意のベクトル場
について次の式を証明せよ.
について次の式を証明せよ.
と
をスカラー場とする.
であれば,
であることを証明せよ.