t分布(Student t distribution)

定義 5..1  

確率密度関数$f_{n}(x)$

$\displaystyle f_{n}(x) = \frac{\gamma(\frac{n+1}{2})}{\sqrt{n\pi}\gamma(\frac{n}{2})}(1 + \frac{x^{2}}{n})^{-\frac{n+1}{2}} (n \geq 1)$

で与えられる分布$T_{n}$自由度$n$$t$分布という。$n\geq 3$のとき,その期待値と分散は

$\displaystyle E(T_{n}) = 0, V(T_{n}) = \frac{n}{n-2}$

となる。

定理 5..4  

$Z$を標準正規確率変数, $\chi_{n}^{2}$を自由度$n$$\chi ^{2}$確率変数とする。さらに,$Z$ $\chi_{n}^{2}$が互いに独立ならば,標本分布

$\displaystyle T_{n} = \frac{Z}{\sqrt{\chi_{m}^{2}/n}}$

は自由度$n$$t$分布に従う。

$t$分布の正規近似

$t$分布は自由度が大きければ標準正規分布で近似でき,

$\displaystyle P_{r}(T_{n} \leq c) \approx P_{r}(Z \leq c)$

となる。 $\chi_{n}^{2}$$n$個の独立な確率変数の和であるから,$n$が大きければ $\chi_{n}^{2}/n$は大数の法則により,1に収束する。$T_{n}$確率変数の分母が1に近づくから,$T_{n}$確率変数は分子の標準正規確率変数と変わらなくなる。