極限と連続

1.

集合$D$が領域とよばれるには次の2つを満たす必要がある.

\begin{displaymath}\begin{array}{ll}
1 & z_{0} \in Dのときz \in N(z_{0},\delta) = \...
..., z_{2} \in Dのときz_{1}とz_{2}をDに含まれる連続な曲線で結べる.(弧状連結性)
\end{array}\end{displaymath}

注意 $N(z_{0},\delta) = \{z : \vert z - z_{0}\vert < \delta\} $を点$z_{0}$$\delta$近傍という.

(a) $D$をz平面から原点Oを除いた集合とする.

1. 原点以外の点$z_{0}$を選び,$z_{0}$と原点までの距離の半分$\vert z_{0}\vert/2$$\delta$とすれば,$\delta$近傍 $N(z_{0},\delta)$$D$に含まれる.したがって$D$は開集合.

2.$D$内のいかなる2点を選んでも$D$に含まれる連続な曲線で結ぶことができるので,弧状連結性が満たされる.

したがって,$D$は領域

(b) $D = \{z : \Re{z} > 0\}$とする.

1. 原点以外の点$z_{0}$を選び,$z_{0}$と虚軸までの距離の半分を$\delta$とすれば,$\delta$近傍 $N(z_{0},\delta)$$D$に含まれる.したがって$D$は開集合.

2.$D$内のいかなる2点を選んでも$D$に含まれる連続な曲線で結ぶことができるので,弧状連結性が満たされる.

したがって,$D$は領域

(c) $D = \{z : \Im {z} \geq 0\}$とする.

1. 実軸上に点$z_{0}$を選ぶと,どんな$\delta$近傍 $N(z_{0},\delta)$$D$以外の点を含むので開集合ではない.しかし, $\{z : \Im {z} = 0\}$内のどの点を選んでも,その点の$\delta$近傍は$D$に属する点と属さない点の両方を含む.このような点の集まりを$D$境界という. したがって,$D$は閉集合である.

2.$D$内のいかなる2点を選んでも$D$に含まれる連続な曲線で結ぶことができるので,弧状連結性が満たされる.

したがって,$D$は閉領域である.

(d) $\{z : 1 < \vert z\vert < 2\}$とする.

1. 原点以外の点$z_{0}$を選び,$z_{0}$$\vert z\vert = 1$または$\vert z\vert = 2$までの距離短い方の半分を$\delta$とすれば,$\delta$近傍 $N(z_{0},\delta)$$D$に含まれる.したがって$D$は開集合.

2.$D$内のいかなる2点を選んでも$D$に含まれる連続な曲線で結ぶことができるので,弧状連結性が満たされる.

したがって,$D$は領域

2.

(a)

$\displaystyle \lim_{z \to i}(z^2 + 2z) = i^2 + 2i = 2i -1$

(b)

$\displaystyle \lim_{z \to \frac{i}{2}}\frac{(2z-3)(z+i)}{(iz - 1)^2} = \frac{(i-3)(\frac{3i}{2})}{(-\frac{3}{2})^{2}} = -\frac{2}{3}(1+3i)$

(c)

$\displaystyle \lim_{z \to 1+i}\frac{z - 1 -i}{z^2 - 2z + 2} = \lim_{z \to 1+i}\frac{z - (1 +i)}{(z-(1-i))(z-(1+i))} = \frac{1}{2i} = - \frac{i}{2}$

(d)

$\displaystyle \lim_{z \to e^{i\pi/4}}\frac{z^2}{z^4 + z + 1} = \frac{e^{\pi i/2...
...1 + \frac{1}{\sqrt{2}} + i \frac{1}{\sqrt{2}} + 1} = \frac{\sqrt{2}}{2}(1 + i) $

3.

注意

1. 複素平面上の全ての点で指数関数$e^{z}$は連続,原点以外で対数関数$\log{z}$は連続,分母が0以外で有理関数は連続

2. 連続関数の和,差,積,合成はまた連続,分母が0以外で商も連続.

(a) $z^2$は有理関数.よって全ての点で連続.

(b) 指数関数$e^{z}$は全ての点で連続.

(c) $\frac{2z}{z+ i}$は有理関数.したがって分母が0となる点$z = -i$で不連続.

(d) $\frac{2z - 3}{z^2 + 2z + 2}$は有理関数.したがって分母が0となる点 $z = -1 +i, -1 - i$で不連続.

(e) $\frac{z+1}{z^4 + 1}$は有理関数.したがって分母が0となる点で不連続.つまり $z^4 + 1 = 0$の解となる点で不連続.

$\displaystyle z^4 = -1 = e^{i \pi}より z_{k} = (\cos{\frac{pi + 2k\pi}{4}} + i\sin{\frac{\pi + 2k\pi}{4}}) \ (k = 0,1,2,3) $

したがって,

$\displaystyle z_{0} = \frac{(1+i)}{\sqrt{2}}, z_{1} = \frac{(-1+i)}{\sqrt{2}}, z_{2} = \frac{(-1-i)}{\sqrt{2}}, z_{3} = \frac{(1-i)}{\sqrt{2}}$

(f) $\frac{z^2 + 4}{z - 2i}$は有理関数.したがって分母が0となる点$z = 2i$で不連続.

(g) $f(z) = \left\{\begin{array}{ll}
\frac{z^2 + 4}{z - 2i} & (z \neq 2i)\\
4i & (z = 2i)
\end{array}\right.$$z = 2i$以外では有理関数.したがって分母が0となる点$z = 2i$以外では連続.では分母が0となる点で連続だろうか.$f(z)$は区分的関数.したがって連続性を調べるには定義に戻る必要がある.つまり

$\displaystyle \lim_{z \to 2i}f(z) = f(2i)$

が成り立てば$z = 2i$で連続である.

$\displaystyle \lim_{z \to 2i}f(z) = \lim_{z \to 2i}\frac{z^2 + 4}{z - 2i} = \lim_{z \to 2i}\frac{(z +2i)(z - 2i)}{z - 2i} = 4i$

また $f(2i) = 4i$より点$z = 2i$でも連続である.