微分係数と導関数

領域$D$で定義された$w = f(z)$に対し,$D$内の点$z_{0}$

$\displaystyle \lim_{z \to z_{0}}\frac{f(z) - f(z_{0})}{z - z_{0}} = \lim_{\Delta z \to 0}\frac{f(z_{0} + \Delta z) - f(z_{0})}{\Delta z} $

が存在し,その絶対値が有限であるとき,$f(z)$$z_{0}$において微分可能(differentiable)であるといい,この極限値を$f'(z_{0})$で表わし$f(z)$$z_{0}$における微分係数(coefficient of derivative)という.

$D$内のすべての$Z$で微分可能なとき,微分係数$f'(z)$$D$における$z$の関数である.これを$w = f(z)$の導関数といい, $\frac{dw}{dz}, w', f'(z)$などで表わす.

定理 3..3  

(1) $D$において$f(z),g(z)$が微分可能ならば次のことが成り立つ

(i) $\{f(z) \pm g(z)\}' = f'(z) \pm g'(z)\}$

(ii) $\{f(z)\cdot g(z)\}' = f'(z)g(z) + f(z)g'(z)$

(iii) $\{\frac{f(z)}{g(z)}\}' = \frac{f'(z)g(z) - f(z)g'(z)}{\{g(z)\}^2}$

(2) $F(w)$$w$について微分可能,$w = f(z)$$z$について微分可能ならば,合成関数$F(f(z))$$z$について微分可能で, $\frac{dF(w)}{dz} = \frac{dF(w)}{dw}\cdot \frac{df(z)}{dz}$が成り立つ.

(3) $f(z)$が微分可能ならば,$f(z)$は連続である.