を群,
を
の部分群とする.
に対して,
のとき,
と
は
を法として右合同であるといい,
mod
のとき,
と
は
を法として左合同であるといい,
mod
証明 (1) 反射率,(2) 対称律,(3) 推移律が成り立つことを示す. (1)
mod
を示す.そのためには,
を示せばよい.
は群で,
より,
.
(2)
mod
ならば
mod
を示す.
mod
とすると,
.示したいのは,
mod
.つまり,
.
は群なので,
の逆元
も
の元である.ところで,例題4.1より
.したがって,
(3)
mod
mod
ならば,
mod
を示せばよい.各自に任せる.
を群,
を
の部分群,
を
の元とするとき,
を
の右剰余類という.
証明
mod
とする.まず,
を示す.つまり,
のとき,
を示せばよい.言い換えると,
を示せばよい.
とすると,
.
は群なので,
.したがって,
.
次に,
を示す.
とすると,
mod
.つまり,
.
は群なので,
.したがって,
.
定理1.17により,
は同値類,定理1.18により
は同値類であることが分かる.したがって,
は共通部分を持たない同値類により分割される.よって,すべての
を法とする右剰余類は互いに等しいか共通部分を持たない.まとめると,
ならば
の
による右類別という.
の部分群
による右剰余類の集合を調べてみよう.
.
確かに,
となっている.
ここで,それぞれの剰余類の濃度が同じであることに気づいただろうか.実は,次の定理が成り立つ.
を群,
を部分群とするとき,
の右剰余類の集合の濃度はすべて等しい.
のとき
と
の濃度が等しいことを示せばよい.そこで,
を考える.
に対して,
とおくと,
は全射である.つぎに,
が単射であることを示す.各自に任せる.
この定理より,次の定理の証明ができる.
を有限群,
を
の部分群とすると,
の位数は
の位数の約数である.
を法とする
の右剰余類による
の類別を行うと,
ならば
より,
.
を群,
を
の部分群とするとき,
の右剰余類の集合の濃度を
における
の指数といい,
で表す.Lagrangeの定理より,
とするとき,
による右剰余類をすべて求めよ.
より,
.次に,
による右剰余類を求めると,
が成り立つことが分かる.
とするとき,Lagrangeの定理が成り立つことを確かめよ.
の部分群
について,Lagrangeの定理が成り立つことを確かめよ.