で定義された関数を表わすことができませんでした.そこでこのようなときには,フーリエ級数でなくフーリエ変換(積分)(Fourier Transform)を用います.
フーリエ積分展開は周期
の周期関数の複素フーリエ級数において,
と考えることができます.つまり周期
の周期関数の複素フーリエ級数
とおくと,
.よって
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とすると次の定理が得られます.
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定理 8..1 (フーリエ積分公式)
が
で区分的に滑らかで,絶対積分可能
ならば
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ここに使われた
を
のフーリエ変換(Fourier transform)といい,
と表わします.また
は
のフーリエ逆変換(Fourier inverse transform)といい,
と表わします.フーリエ積分公式で
か
のどちらか一方がわかればもう一方が求まるので,フーリエ積分公式は フーリエ反転公式ともよばれます.
級で,
が
で絶対積分可能のとき
を示せ.
解
まず
より
となる.もし
ならば,十分大きな
に対して,
となり,絶対積分可能でない.次に
のフーリエ変換は
とおき,部分積分を用いると
ラプラス変換と同様,次のような微分法則が成り立ちます.
フーリエ変換
で,Eulerの公式
を用いると,
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定理 8..2
が
で区分的に滑らかで,
絶対積分可能 ならば
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フーリエ余弦変換
が
で区分的に滑らかで,
絶対積分可能
ならば
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をフーリエ余弦変換(Fourier cosine transform) といいます.
フーリエ正弦変換
が
で区分的に滑らかで,
絶対積分可能
ならば
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をフーリエ正弦変換(Fourier sine transform) といいます.
解
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フーリエ変換の偏微分方程式への応用に行く前に.合成積のフーリエ変換について少し考えてみましょう.まず,
と
の合成積
を
が
で絶対積分可能ならば次の定理が成り立ちます.
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定理 8..3 (合成積のフーリエ変換)
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証明
をそれぞれ
のフーリエ変換とすると,
とおくと,
より
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