驚くかも知れませんが,三角関数以外の直交関数列も,応用数学にはよく出てきます.ここでは境界値問題からどのようにして直交関数列が出てくるか見てみます.
の形の境界値問題をSturm-Liouville 問題といいます.ここでは実数をとり,自明でない解が存在するときを固有値(eigenvalue)といい,自明でない解を固有関数(eigenfunction)といいます.
例題 6..12
の固有値は
で固有関数は
で与えられることを示せ.
解
(1)
のとき,
より
ここで境界条件
を用いると
となり,
.
(2)
のとき,
とおくと
特性方程式を求めると
より,
.よって
ここで境界条件
を用いると
となり,
.
(3)
のとき,
とおくと
特性方程式を求めると
より,
.よって
ここで境界条件より.つぎにより
ここでならば自明でない解が存在しない.そこで自明でない解が存在するためには,
.よって固有値は
,固有関数は
となる.
例題 6..13
はLegendreの微分方程式とよばれています.
,ただしが負でない整数のとき,この微分方程式は多項式の解をもちます.この解をで表わし,位数のLegendreの多項式といいます.最初のいくつかのLegendreの多項式を表わすと次のようになります.
ここでLegendreの多項式全体の集合は区間で直交系をなすことを示せ.
解
Legendreの多項式
は固有値
に対する固有関数である.よって
ここで最初の式にを次の式にを掛けて加えると,
次に,両辺を区間で積分すると
よって
のとき
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