ここでは周期をもつ周期関数
前節で学んだように次の関数列は上で直交系をなします.
1.
2.
3.
4. 3で与えられた集合の部分集合
ここで幾何ベクトル のときのようにこの直交系を用いてベクトル空間内のベクトルを一次結合で表わすことができないでしょうか.つまり のとき
しかし,三角級数 は収束すると限らないし,収束したとしても,もとの関数に一致するとは限りません(4章参照).そこで,関数とこのようにして定められた三角級数との関係を,等号の変わりにを用いて表わすことにします.以上をまとめると
定義 6..5
[フーリエ級数]
のとき,
|
このとき をのフーリエ(三角)級数とよび, をの第n部分和とよびます.
解 は奇関数であることに注意すると
解
部分和のグラフをみると,関数が不連続の点の近くで,部分和のグラフがのグラフよりかなり大きな値をとっていることがわかります.これをovershootといいます.また部分和のグラフは不連続点の近くで垂直な線分に近づいていることがわかります.これをGibbs 現象といいます.
次にフーリエ級数がに収束するための条件を紹介します.
解 例題6.2より
ベクトル のノルムが
この等式をParseval の等式といいます.