定理 5..5 (微分法則) は
で連続で,指数位数の関数とする.さらにが
で区分的に連続ならば
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証明 定義より
上の定理を繰り返し適用することにより,次の公式を得ることができます.
定理 5..6 (積分法則) が区分的に連続で指数位数の関数ならば
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証明
(が連続の場合)
とおくと,
. または指数位数の関数より,
解 より . 次に
解 .積分法則より
別解
定理 5..7 は区分的に連続で指数位数の関数とする.
ならば
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証明 定義より . は指数位数よりも指数位数となり, は存在する.または区分的に連続なので微分と積分の順序の交換が可能である.したがって,
上の定理をくり返し適用すれば,次の系が得られます.
系 5..1
は区分的に連続で指数位数の関数とする.
ならば
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解 .よって
解
は私たちが知っている関数のラプラス変換に似ていません.そこで
を考えて見ます.
図5.3,5.4,5.5のような関数を周期関数(periodic function)といいます.周期関数のラプラス変換は次の定理より簡単に求めることができます.
定理 5..8 が周期の区分的に連続な関数ならば,つまり
ならば
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証明
解
(a) 関数は,区間での周期1の関数より
(b) 関数は,区間で,区間 で0の周期の関数だから
(c) 関数は,
.また
より
.したがって
ここまでに扱った法則をまとめてみると次のような表5.2にすることができます.これらはラプラス変換の一般的な性質ですので次に進む前に各自使えるようにしておいて下さい.
この節を閉じる前にラプラス変換の有用性について述べておきます.そのための例として,上に掲げたラプラス変換の性質をもちいて初期値問題の解のラプラス変換を求めてみます.
解 両辺にラプラス変換を施すと,