変換の一般的な考え方は何らかな一意性をもつ2つの関数の組を作ることといえます.たとえば,関数とその導関数の組を考えます.このとき,導関数は演算子,または変換と言われ,で表わします.この組は一意性をもっています.なぜなら同じ導関数をもつ2つの関数は定数を除いて等しいということができます.同様に,関数の積分,も変換です.ここで,
定義 5..1
関数のラプラス変換は,次の積分が存在する場合,関数で与えられる.
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記号
または
もの代りに用いられます.
一般に変数は複素数ですが,この章ではは実数とします.
解
この例題は与えられた関数のラプラス変換が,の値がある定数より大きいところでしか定義されない例として典型的です.ここで大事なことは定数が何であるかではなく広義積分が存在するような定義域が存在するということです.後に逆変換を考えるとき,このような定義域についてもっと注意をはらいます.
解
解
解
解
より
解
このような区分的に連続な関数を扱うのに便利なものとして単位ステップ関数とよばれるものがあります.単位ステップ関数(unit step function)は次のように定義されます.
解
単位ステップ関数を用いると例題5.1のは次のように表わせます.各自考えてみて下さい.
ここでこれから必要となるラプラス変換を表にまとめておきます.