前節で定数係数の同次線形微分方程式について学びました.ここでは定数係数の非同次線形微分方程式
の特殊解の求め方について学びます.ただしここで扱う解法はがある特殊な形,つまり同次線形微分方程式の解の形をしたものに限ります.
とおきます.すると
は
と表わせます.ここでが同次線形微分方程式の解の形をしているとすると,
を満たすの多項式が存在します.そこでこの方程式の特殊解をとすると
より特殊解を見つけるには同次方程式
の解の中から
を満たすものを見つければよいことがわかります.この解法のことを未定係数法(method of undetermind coefficient)といいます.次の例題を解く前によく用いられるをあげておきます.
例題 2..12
を解け.
解
補助方程式の特性方程式は
より特性根を得る.よって余関数は
となる.次に特殊解を未定係数法を用いて求める.
とおくと,
より求める特殊解は
の解である.この方程式の特性方程式は
より基本解は
である.よって
と表わせる.しかし,は
を満たさなければならないので
を満たす
は省いてもよい.したがって特殊解の形を
とおく.これを
に代入すると
となる.よって
.これより特殊解
を得る.したがって一般解は
で与えられる.
例題 2..13
を解け.
解
補助方程式の特性方程式は
より特性根を得る.よって余関数は
となる.次に特殊解を未定係数法を用いて求める.
より,求める特殊解は
の解である.この方程式の基本解は
であるが,
は余関数の解なので省くと
と表わせる.これを
に代入すると
となる.よって特殊解は
一般解は
である.
例題 2..14
を解け.
解
補助方程式の特性方程式は
より特性根を得る.よって余関数は
を得る.次に特殊解を未定係数法を用いて求めるには,重ね合わせの原理より
の特殊解と
の特殊解を求めればは
で与えられる.
の特殊解は
.また
の特殊解は
の解である.よって基本解は
となるが,とは余関数数の解なので省くと
と表わせる.
とおき,これを
に代入すると
. したがって
.よって一般解は
となる.
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