例題 次の連立微分方程式を解け.
解答
より固有値は
である.次に固有値
に対する固有ベクトル
は
を満たす0でない解よりGaussの消去法(Gaussian elimination)を用いて解く.
より
は任意の定数,
,
となる.したがって,固有ベクトルCは
で表わされ,
はこの微分方程式のひとつの解である.
固有値
に対する固有ベクトルは
より
で表わされ,
もこの微分方程式のひとつの解である.同様に固有値
に対する固有ベクトルは
より
で表わされ,
もこの微分方程式のひとつの解である.ここで
は一次独立なので
は一般解になると思われる.次の定理で述べるが,確かにこれは一般解である.よって一般解は
で与えられる.このとき,それぞれのベクトルを成分とする行列
を基本行列という.