数式を用いて文章を書く

サイエンスの分野に関わらず,数式を用いて物事を表現することは,いまや当たり前のことです.また,文章を書くのにコンピュータを用いることも当たり前になってます.しかし,この当たり前のことを行おうとすると,突然目に見えない障害が立ちはだかっていることを皆経験していると思います.

1980年の初頭まで,コンピュータで数式を用いた文章を書くには,数学記号,ギリシャ文字等を別々に用意してそれらを文章中に差し込むという方法を取っていました.しかし,分数のように,一行に納まらない場合,とても見苦しいものになってしまいました.

このことを解決すべく生まれたのが,D.Knuth教授によるTeXです.TeXで書いた数式を下に示します.

$\displaystyle \frac{x^2+1}{3x^3 + 1}$

このような数式をTeXで書くにはどうすればよいのか順を追って説明します.
  1. エディタを用意して,

    と書き,名前(例えば,foo.tex)を付けて保存します.このとき,拡張子は.texとなります.1行目の\documentclassは,どのような文書を用いるのかを決めるために用意されています.その次のjarticleは論文形式の文書を書くために用いるものです.先頭のjは日本語対応を表しています.その他にも,jbookという本を書くためのものや,jreportとリポートを書くためのものもあります.この辺のことは今あまり気にしなように.

  2. コマンドプロンプトから

    と入力しEnterキーを押して実行します.すると,エラーがなければ,foo.texのあるフォルダにfoo.dvi, foo.log, foo.auxのファイルが作成されます.

  3. 作成されたファイルを画面に表示するには,dviファイル(device independentファイル)を読み込んで表示するためのソフトが必要です.ここでは,Windowsで最もよく用いられているdvioutを使って,画面に表示します.コマンドプロンプトから

    と入力しEnterキーを押して実行すると,dvioutの画面が開き,

    のように表示されます.

これらのことを行うには,次の節で紹介するTeXインストールにしたがって,TeXをインストールする必要があります.